こどもの学習が続かない時のルーティンのコツ|安心タイプ・自由度タイプ別に整える

「発達×個性」を起点に、こどもの学び方・おうち英語・海外教育を、こどもと歩む人たちが“デザインしていく”ための視点や問いをお届けしている林智代乃です。

先日、The Japan Times Alpha Jさんにてセミナーを担当させていただいた際、さまざまなご質問をいただきました。

どのご質問にも共通していたのは、『知識』そのものよりも、『どう取り組みを続けていけるか』という問いだったんですね。

そこで、いただいたご質問を軸に3回シリーズで、『取り組みを続けていく上で持ち合わせたい視点』を書いてみています。

その1回目となる前回は、【目標設定】をテーマにしたお話。

『目標=ピント』『ビジョン=地図』という形で、折れにくい設計について整理してみました。

 

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目標設定が合いにくい子もいる:目標より“ビジョン”が動くタイプの整え方

 

2回目となる今回は、【ルーティン化】について、書いていってみようと思います^^

 

【今回のポイント】


・ルーティン化は、『毎日やる』ではなく、『迷いを減らして始めやすくする設計』のこと
・ルーティンがあることを心地よく感じられる子と苦しくなる子がいる
・各々のタイプの子たちが『戻れる』設計ポイント

 

ルーティン化は、言い換えると『戻る道作り』

 

今回の英字新聞を取り入れた取り組みにおいても、学習という場面においても、「どうルーティンを作っていこうか」と考えられる方は少なくないと思います。

ルーティン化させていくことで、日々の中に繰り返しが生まれ、その繰り返しの中で、少しずつ身に付いていくものや成長がありますものね。

どうルーティン化させていったらよいか…と、立ち止まられる気持ち、わかります^^

ここで大事なのが、この『繰り返し』の意味。

『繰り返す』ということは、言い換えると『また戻ってこれる』ということ。

 

ルーティン化は、言い換えると『戻る道作り』

 

この『また戻って来られる』こそが『ルーティン化』の本質なんじゃないかなと考えています。

そう捉えると、『ルーティン化』とは、『また戻って来れる設計を、どう作っていくのか』を考えていく…ということなんですよね。

そうなると、大事なのは、『戻りやすさ』に注目していくということ。

…となると、その『戻る道』を作る際、できるだけその道の中に迷い(処理)を増やさないことがポイントということになるんですよね。

ただ、この『迷いを減らす』の形は、やっぱりこどもによって心地よさが違うんですよね。

 

ルーティンがあると心地よい子・苦しくなる子

 

ルーティンを組むって、安心につながる部分でもありますよね。

「今日も進んだ!」「今日もちゃんとできた!」…といった感じに、『取り組めている感じ』が見えると、サポートする側はホッとする部分もあると思います。

それゆえに『ルーティン化=正解』みたいに語られやすいところが、どこかありますよね。

でも、このサポート側の『安心』が、いつもこども側の心地よさと一致するとは、限らないのです。

…というのも、こどもによっては、ルーティンが作られることで心地よく感じられる子もいれば、ルーティンがあることで、苦しくなってしまう子もいるんですよね。

これって、意志の強さ弱さ…というより、『予測できると省エネになる脳の性質』と『固定が納得感を削る場合がある』という、脳や心の【処理の仕組み】として起きることなんですよね。

では、なぜ同じルーティンが『安心』にも『苦しさ』にもなるのか。

背景にある3つを、書いていってみますね。

 

仕組み①|予測できると、脳は省エネしやすい

 

『いつ』『どこで』『どれくらい』『どう終わるか』。

こういった見通しが立つだけで、脳は準備ができて、余計なエネルギーを使わずに済むんですよね。

故に、ルーティンが『安心』として働くタイプの子もいます。

 

仕組み②|でも『固定』が、納得感を削ってしまうこともある

 

一方で、固定されること自体が負荷になる子もいるんですよね。

我が家の娘がまさにそれです。笑

割と究極のそれです^^:

『決められると重くなる』『自分で選べた感がないと動きにくい』などなど。

この場合、ルーティンは『安心』ではなく、『縛り』になってしまうんですよね。

 

仕組み③|切り替えにはコストがかかる(内容以前に『モード変更』が重い)

 

『始める』『戻る』『終わる』…、これら全部にエネルギーは要るもの。

例えば、英字新聞でも、『読む』よりも前に、机に向かう/紙面を開く/見出しを眺める…といったこの『入口の切り替え』が思い日もあったりするのです。

ここでいう『エネルギー』って、頑張る気持ちというより、『脳のモード変更に必要なコスト』のこと。

例えば、

 

遊んでいたところから、学習モードに切り替える
途中で止まったところに『戻る』ために、頭の中をもう1回立ち上げ直す
終わる時に、次の行動へ切り替える

 

こういう切り替えに、実は内容の理解とは別のところで、地味にパワーが要るものなんですよね。

ルーティンが折れる時って、内容より『切り替えコストが高い設計』になっていることが多いんですよね。

この時、整えたいのは『量』ではなく、切り替えの摩擦を減らす設計なんですよね。

 

 

 

ここまでが『理由(しくみ)』のお話。

ここから、こどもが置いてけぼりにならないように、ルーティンを2軸(A:安心が増える / B:自由度が増える)で整えていきますね!

 

我が子は、ルーティンがあると安心タイプ?苦しくなるタイプ?

 

「じゃあ、我が子はどちらのタイプなんだろう?」

そう感じられた時は、下記を参考にみてみられると良いかもです^^

 

A|ルーティンがあるほど安心タイプ

 

・先が見えると落ち着く
・予定変更が続くと疲れやすい
・「いつもの流れ」があると調子が整いやすい
・迷いが増えると止まりやすい
・始める合図があると入りやすい

 

➡︎このタイプの子は、【入り口固定+出口固定】で一気に回りやすくなったりします。

 

Aタイプの『戻る道』設計ポイント

 

①入り口(合図)を固定する

 

「○時」と時間で固定できるなら、もちろんそれでOK!

難しい場合は、お風呂の後…だったり、寝る前にベッドに入ったら…だったりと、『生活の合図』で固定するのも1つですね!

 

②出口(終わり)を固定する

 

ルーティンが崩れやすい時って、『どこまで?」が毎回揺れる時だったりもします。

例えば、英字新聞との付き合いだった場合、『見出しを1つ見たら終わり!』だったり、『一文だけ読んだら終わり!』だったりと終わりが見えると、安心しやすかったりするんですよね。

そして、終わりかたは『評価』ではなく、『ひとことコメント』が相性良いことが多いです。

というのも、積み上げが心地よいタイプの子ほど『合ってるかな?』『これで大丈夫かな?』と、確認したくなる気持ちが出やすいことがあるんですよね。

ひとつひとつ確かめながら進むのが、その子にとっての安心ルート…というところがあります。

なので、終わり方が『できた/できない』の評価に寄ると、安心のために始めたルーティンが、逆に戻るのが重い作業になってしまうんですよね。

その点、一言コメントは、達成判定ではなく『今日の点をおけたね!』という感覚で終われるので、安心が保たれやすく、『また戻って来られる道』になりやすいんですよね。

 

■ Aタイプ × 英字新聞(Alpha J)の入り口例

 

Aタイプの子にとって、『迷わない』が大事なので、入り口を固定するとグッとラクになりやすいです。

例えば、

 

・まずは『見出し3つだけみる』(それ以上見ない)
・その中で『気になるものを1つチェック!』
・時間があれば、1文だけ読んでみる。なければここで終了!

 

ルーティン作りで大事なスタートは、『読む量』よりも『戻れる形』を先に作っていくイメージですね!

 

B|ルーティンがあることで苦しくなりやすいタイプ(固定がしんどい)

 

・決められると急に重くなる
・その日のコンディションで波が大きい
・興味の熱量で動く(意味があると強い)
・「毎日同じ」が続くと息が詰まりやすい
・自分で選べた感がないと動きにくい

 

➡︎このタイプの子は、『固定の型』より【選べる枠(自由度つきの型)】が合いやすいですね!

 

Bタイプの『戻る道』の設計ポイント(固定するのは『合図』、選ぶのは『中身』)

 

Bタイプの子は、ルーティンがダメというより、『固定されることで納得感が削れてしまうと、一気に重くなりやすいことがある』というタイプ。

だからといって、「自由にしていいよ!」にすると、今度は迷い(処理)が増えすぎて止まりやすかったりします。

そこでおすすめの関わりが下記のような形です。

 

①入り口(合図)を固定する

 

戻る場所があること自体は、Bタイプの子にとっても安心になることが多いです。

ただ、固定するのは内容ではなく、合図の方。
(ご飯の後…や寝る前に…などは、Aタイプの子と同じでOK!)

 

②中身は3択までにする(選べる余白)

 

選べる余白は必要。

むしろ、Bタイプの子はそれが鍵と言っても過言ではないですね^^

ただ、だからと言って、選択肢が多すぎると迷いが増えるので、選択肢は3つくらいまでが良いですね!

例えば、『写真1枚だけみる』とか『見出しだけみる』とか『注釈だけ見てみる』とか『一文だけ読んでみる』とか、そんな感じです。

 

③出口(終わり)は固定する

 

Bタイプは『終われない』が負荷になることもあるので、選べるけれど、終わりはAタイプと同じ感じ。

Bタイプの子って、ルーティンが苦手というより、『自分の中で納得してスイッチが入る』ことが大事なことがおおいんですね。

なので、「今日はこれをやるよ!』と外から固定されちゃうと、納得が追いつかず、いきなり重くなってしまう。

一方で、それと同時に納得感を大事にするからこそ、頭の中では『どれがいい?』『どれが正解?』などと選択肢が広がりやすいこともある。

ただ、選択肢が多いままだと、今度は脳は『選ぶ処理』にエネルギーを取られてしまうので、動き出す前に疲れてしまう。

故に、Bタイプは、納得感(選べた感)は欲しいけれど、迷い(処理)は増やしたくないという、『自由』ではなく『選べる枠』を求める、そんなタイプなんですよね^^

 

■ Bタイプ × 英字新聞(Alpha J)の入口例

 

・「写真から入る?見出しから入る?」の2択
・見出し3つだけ見て、気になるのを1つチェックしてみて!
・1文だけ読んで、「つなり何?」を一言伝えてもらう(日本語でもOK!)

 

Bタイプに効くのは『読ませる』より『どこに点を置く?』を一緒に決めることだったりします。

 

さいごに|ルーティンは『毎日やる』より『戻る道作り』

 

ルーティン化…というと、どこか『毎日続けるための仕組み』みたいなイメージがありますが、実際着目したいのは、『心地よく戻ってこれる道作り』であるというところ。

その道の中の迷い(処理)を減らしていくことが物事を続けていくポイントなんですよね。

正しい型よりも「この子が戻りやすい形」を優先していく視点を、こどもに合わせた形で見つけていけること、それが『迷い(処理)』を減らしていく上で大事なんですよね。

 

よくあるご質問(FAQ)

 

Q1.|毎日できないと意味がないですか?

→意味はあります^^
大事なのは、回数よりも『戻りやすさ』です。

 

Q2.|聞いても、こどもが「別に…」しか言いません。

→あるあるです^^
言語化はエネルギーが要るものなので、3択リアクション(おもしろい/ビミョ / 分からない)くらいでも全然OKです。

 


 

次の記事では、中高生の生活リズム(部活・課題・疲れ)や脳の負荷(注意・切り替え・回復)を前提に、続けやすくする工夫を整理していきたいと思います^^

ルーティンが合っているのに回らない場合は、設計というより、『負荷』が理由になっていることも多いですからね!

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