こいのぼり工作で滑車の仕組みにふれる|小学生の理科あそびが“考える力”につながる理由

毎年、わが家の恒例の鯉のぼり製作。

小学校1年生の今年も、理科あそびの要素を入れて、【滑車の仕組みを活かしたこいのぼり】を作ってみました。

ただ紙にこいのぼりを描いてかざるだけではなく、紐をひっぱると、こいのぼりが上に登っていく仕組み。

ミニこいのぼり掲揚台みたいな感じですね。

こういった季節の工作って、つい

 

「きれいに出来たか」
「最後まで作れたか」
「作品らしく仕上がったか」

 

に目が向きやすくなるもの。

ですが、こういった製作・工作の機会って、

 

その子がどこに興味を持つのか
どんな風に試すのか
うまくいかない時に、何をみているのか

 

そういった【考え方の動き】がよく表れる時間。

今回のこいのぼり工作も、まさにそんな時間でした!

 

【今回のポイント】

・こいのぼり工作に滑車の仕組みを取り入れる
・季節の製作を理科あそびとして楽しむ
・『うまく作る』よりも、仕組みに触れることを大切にする
・試行錯誤/予測/調整する力をみる
・工作を通して、ことばで考える力や英語のアウトプットの土台につなげる

 

こいのぼり製作というと、幼児さん向け、季節の行事向けの工作として扱われることも多いですが、小学生になると、そこに少し『仕組み』を加えるだけで、学びの質って変わってくるんですよね。

たとえば今回のような滑車の仕組みを取り入れると、「どうして上に上がるの?」「どこが回っているの?」「紐をどう通すと動くの?」とこども自身が目の前に動きを観察しながら考える時間になりますね^^

 

こいのぼり工作に、滑車の仕組みを取り入れてみました

 

今回作ったのは、紐を引っ張るとこいのぼりが上に登っていくタイプの工作。

滑車の仕組みに触れることが目的だったので、今回、娘の意識はかなり『滑車部分』に向いていました。

そのため、今回のこいのぼりのお絵描きは、かなりざっくり。笑

 

 

一応、「絵の具を使いたい!」ということで、絵の具も使いましたが、本人の関心はこいのぼりの絵を丁寧に仕上げることよりも

 

色を混ぜること
仕組みを作ること
上に登っていくようにすること

 

…に向いていたように感じます。

こういう時、大人側としてはつい、「もう少し丁寧に描いたら?」「片面だけじゃなくて、両面塗ったら?」と言いたくなることもあります。笑

ありますが、ここで見たいのは、作品の完成度だけじゃないんですよね^^

むしろ、『今、この子はどこに面白さを感じているのか』を見ていくこと。

今回は、絵をきれいに描くことよりも、『どうやったら登っていくのか』という構造や仕組みに関心が向いていた時間だったのだと思います。

こうした興味の向き方こそが、その子らしい学びの入り口を教えてくれるんですよね。

 

材料と作り方|CDとトイレットペーパー芯で滑車部分を作る

 

今回、滑車の車輪部分として使ったのは、使わなくなったCDとトイレットペーパーの芯です。

使ったものはだいたいこんな感じ。

 

・使わなくなったCD
・トイレットペーパーの芯
・紐
・画用紙
・絵の具
・グルーガン
・固定するための支えになるもの

 

作り方としては、先ず、使わなくなったCDにトイレットペーパーの芯をグルーガンで貼り付ける。

これを2つ作り、紐を通して、こいのぼりが上に登っていくようにしていく感じです。

この作品を作る際に我が家は、“Making Machine with Pulleys” という本を参考にしました。

この本は、「こども向け」には一応作られていますが、仕組みの説明をしてくれている本で、字は結構多めですね。

大人からすると一見、「くっつけるだけ」で簡単な作業。

 

 

ですが、こどもにとっては、これがなかなか良い試行錯誤の時間になったりするんですよね。

 

どの位置につけると安定するのか。
どれくらい押さえるとしっかりつくのか。
曲がるとどうなるのか。
外れそうになった時、どこを直せばよいのか。

 

そうしたことを実際に手を動かしながら感じていける機会だからですね!

娘自身、いっぱい小さな失敗をしながらくっ付けていました^^

 

一見「くっつけるだけ」でも、こどもにとっては試行錯誤の時間

 

大人からすると簡単に見える作業も、こどもにとっては、いくつもの処理が同時に動いていることがあるんですよね。

たとえば今回のようにCDとトイレットペーパーの芯を貼り付けるだけでも

 

・位置を決める
・向きを見る
・ずれないように押さえる
・くっつくまで待つ
・外れたらもう一度やり直す
・どうすれば安定するかを考える

 

といったことが起きています。

これは単なる手先の練習ではなく、それ以上のもの。

目で見て、手を動かして、結果を確認して、もう一度調整する。

この流れの中で

 

・観察する力
・見通す力
・予測する力
・調整する力
・うまくいかなかった時に方法を変える力

 

が動いているんですよね。

こどもの学びは机に向かっている時だけに育つわけではないもの。

むしろ、こういった時間を楽しむことが、机に向かっての学び時間にとっても活きていく時間なんですよね。

「どうしたら動くかな?」
「なんでうまくいかなかったかな?」
「次はどこを変えようかな?」

…と考える時間にも、いや、その時間にこそ、学びが土台は育っているんですよね。

 

滑車の仕組みは、理科を『説明される前』に出会えるもの

 

滑車という言葉を、こおもがその場でちゃんと理解する必要ってないんですよね。

もちろん、『滑車は力の向きを変える道具だよ』『重いものを持ち上げる時にも使われるよ』と説明することもできます。

ですが、今回のような製作でまず大切なのは、言葉として覚えることよりも体験として出会うこと。

紐を引っ張ると、こいのぼりが上に上がる。
車輪のような部分が回る。
紐の通し方によって、動き方が変わる。
引っ張る方向と、動く方向が違う。

こうした体験があると、後から理科で『滑車』という言葉に出会った時、ただの暗記ではなくなるんですよね。

 

 

「あ、あの時の仕組みだ!」「紐を引っ張ったら上がった、あれだ!」と自分の体験と結びつきやすくなる。

理科は、教科名になる前から日常にあるもの。

 

こいのぼりを上げる。
ブランコが揺れる。
水が流れる。
影の向きが変わる。
紙が折れる。
色が混ざる。

 

そうした身近な現象に出逢いながら、「なんで?」「どうして?」「こうしたらどうなる?」と感じること。

それが、こどもにとっての学びのお入り口になるのだと思います^^

 

『構造』や『仕組み』に触れることは、興味を育てる時間

 

今回のこいのぼり製作で改めて感じたのは、構造や仕組みに触れることは、何かの能力を急いで育てるためだけのの時間ではないということ。

もちろん、結果的に理科的思想や空間認識、手先の調整、予測する力などにつながっていく部分ではあります。

でも最初から、「この力を伸ばすためにしよう!」と構えすぎなくても良いと思うのです。

むしろ大切なのは、「これって、どうなっているんだろう?」という興味が育つこと。

こどもが何かの仕組みに触れた時、すぐに正解を教えなくても、

 

「どうして上がると思う?」
「どこが動いている?」
「ここを変えたらどうなるかな?」
「他にも似たような仕組み、みたことある?」

 

と問いを置いてみる。

するとこどもは自分の中になる情報を引っ張り出しながら、「こうかな?」「多分、ここがこうなっているからかな?」と仮説を立てたり…と考え始めるんですよね。

この時間が何よりも大切なのです。

 

予測する力は、英語のアウトプットの土台にもつながる

 

今回のように、工作をしながら「こうしたらどうなるかな?」と予測する時間って、実は英語のアウトプット力にもつながっていくもの。

英語のアウトプットというと、つい『英語で話す練習』『単語や文法を覚えること』に意識が向きやすいかもしれません。

ですが、ことばで表現する前には、頭の中でいくつものことが起きているんですよね。

 

何が起きたのか整理する。
なぜそうなったのかを考える。
次にどうなるかを予測する。
自分の考えを順番に並べる。
相手に伝わるように言葉を選ぶ。

 

英語で話す前にまず『考えを持つこと』『考えを組み立てること』『自分の中にある情報を引き出すこと』が必要になるわけです。

だからこそ、こうした工作の時間に、

 

「どうなると思う?」
「なんでそう思ったの?」
「どこを見てそう考えた?」
「次に変えるなら、どこを変えたい?」

 

と話すことは、英語そのものを教えていなくても、ことばで考える力を育てる時間になっているんですよね。

おうち英語というと、英語のインプット量や教材に目が向きやすいかもしれません。

でも、英語を習得しやすい土台は、英語だけで作られるものではないんですよね。

 

日本語でたくさん考える。
日本語で自分の予想を話す。
日本語で「なんでだろう?」を深める。
日本語で体験を振り返る。

 

そうした日常の中で育つ思考や言語化の力が、結果として、英語を使って表現する力にもつながっていくのだと思っています。

 

こいのぼり工作を深める声かけ例

 

今回のような滑車を使ったこいのぼり工作の場合、こんな声かけができたりします。

 

「どうしたら、こいのぼりが上に登っていくと思う?」
→仕組みを予測する力につながる。

 

「紐を引っ張ると、どこが動いている?」
→観察する力につながる。

 

「うまく上がらなかったのは、どこが引っかかっているからだと思う?」
→原因を考える力につながる。

 

「もう1回作るなら、どこを変えてみたい?」
→改善する力につながる。

 

ここで大切なのは、正解を急いで教えないこと。

大人が説明すれば早いこともあります。

ありますが、こどもが自分でみて、考えて、試して、言葉にしようとする時間には、その子らしい学び方が表れるんですよね。

もちろん、うまく言葉にならないこともあります。
途中で飽きることもあります。
思ったように作れず、手が止まることもあると思います。

でも、それを含めて、その子の今の状態を知るヒントになるんですよね^^

 

工作は『作品づくり』だけでなく、こどもの学び方が見える時間

 

こいのぼり製作のような季節の工作は、完成した作品だけを見ると、ただの楽しい活動に見えるかもしれません。

でも、その過程を少し丁寧に見ていくと、こどものいろいろな姿見えてくるんですよね。

 

仕組みに興味を持つ子
色や形に夢中になる子
手順通りに進めたい子
自分なりに変えたくなる子
失敗するとすぐに辞めたくなる子
うまくいかないほど燃える子
全体像が見えると動きやすい子

 

どれが、『良い』とか『悪い』のおはなしではなく、そこにその子の学び方の入り口があるということ。

今回の我が家のこいのぼり製作も、綺麗な作品として完璧に仕上がったわけではありません。

途中でお絵描きに飽きて、こいのぼりは片面だけのデザイン。笑

でも、滑車の仕組みには、しっかり関心を向け、『上に登っていくこいのぼり』を作ることは、ばっちり楽しんでいたんですよね。

ここに我が家の娘の学びの入り口のヒントがあるわけです。

こどもの学びは、予定通りに進んだ時だけにあるわけではなく、むしろ途中で興味がずれたり、別のところに夢中になったり、思った通りにいかなかったりする中に、その子らしい学びの入り口が隠れていることがあるんですよね。

 

季節の工作は、こどもの『考える力』が見える時間

 

今回のこいのぼり工作では、滑車の仕組みを取り入れて、理科遊びのように楽しんでみました。

使わなくなったCDとトイレットペーパー芯を使って、滑車部分を作り、紐を引っ張るとこいのぼりが上に登っていくようにする。

大人からみると、小さな工作かもしれません。

でもその中には、

 

・観察する
・予測する
・試してみる
・うまくいかなかった原因を考える
・もう一度調整する
・自分の考えを言葉にする

 

といった、学びの土台になる力がたくさん含まれています。

そして、こうした力は、理科だけでなく、ことばの力や英語のアウトプットにもつながっていきます。

英語を伸ばすために、いつも英語だけをしなければいけないわけではなく、ことばとつながる土台を作っていく時間こそが大切な時間。

そういった部分に目を向けてみると、工作の時間はこどもの学び方を知る時間にもことばの力を伸ばす時間にもよりなっていきます。

こどもの今の学び方や伸び方をより整理していかれたい際、そこに伴走があるとより見えてきそうな時には、そのヒントを受け取れる時間の選択肢はこちらにあります。
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