こどもにDIE WITH ZERO?「いま、どこを守る?」|受験が近づくときの家庭の判断軸

「発達×個性」を起点に、こどもの学び方・おうち英語・海外教育を、こどもと歩む人たちが“デザインしていく”ための視点や問いをお届けしている林智代乃です。

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1月の課題図書となったのは、本屋さんに行けば必ずと言っていいほど目にする本 ”DIE WITH ZERO” 。

 

 

『経験に投資しよう!』というメッセージのこの本。

ですが、個人的にはそれだけじゃない気がしたんですよね。

『何をするか』より先にある、『何を大切にしたいか』という

 

『自分にとっての価値』と向き合う本。
それはひいては【選択する力】の大切さに繋がるお話。

 

…そんな風に受け取れたのです。

そしてそれを、『自分事』として読むだけでなく、『こどもに対してのDIE WITH ZERO』をも考えてみたんです。

『こどもにDIE WITH ZERO』を意識する、それってイコール、

 

・こどもの【今】を尊重し
・こどもにとっての【価値】を尊重し
・こどもの【選択力】を尊重する

 

こと。

でも、こどもの成長と共に、たとえば『受験』や『進路』などといった、そういった言葉が近づいてくると、おうちの判断がいつの間にか1本になりやすい。

たとえば『提出物』『テスト』『内申』みたいな、『正しそうな基準』に寄っていくような感じですね。

もちろん、それを『よくない』とお話をしたいのではなく^^

時に『寄せる』ことが必要なタイミングも実際ありますからね!

ただ、『どっちが正しいか』ではなく、『今、どこを守りたい?』という角度から、おうちでのバランス取りの考え方の1つを書いてみようと思います。

 

受験が見えてくる時期は、おうちの判断が『1本』になりやすい

 

娘が中学生になり、地域性もあって、早々から『内申』の存在がチラつき始めている中学校生活。

 

 

こども自身に頑張りたい気持ちがあり、そのサポートで予想外に私も気になり始めていたり。

意識していないと、ふと

 

今何を優先する?←学校の基準に寄りそうになる
今日は何する?←提出・テスト・授業の流れに寄りそうになる
どう過ごす?←『間に合う?』が先に立つ

 

…みたいな感じに、気づくと『学校』が軸になりそうになるんですよね。

 

『学校が軸になる』こと自体は、悪じゃない

 

『学校が軸になる』。

これ自体は悪いことではないと思っています。

期限がある以上、寄せることが必要な時期もあります^^

『提出』もそうですが、『受験』だったりと、現実として『締切がある』。

そこは無視できないですからね!

ただ、そことの付き合いは【こどものタイプとのバランスが取れているのか】というところを大切にしていくことがポイントかなと思うのです。

こどものタイプによっては、苦しさがより増えることもありますからね!
(分かってるのに、動けない…みたいなね!)

 

発達・特性の観点で、苦しくなり易い場面

 

先にも触れていますが、『学校に寄せる』ことが悪いわけではなく^^

発達・特性の観点でみた時、その寄せ方が目の前の『こどものタイプ』と噛み合うかが大事になってくるんですよね。

 

 

当たり前ですが、こどもたちには、それぞれのタイプがあるもの。

たとえば…

 

切り替えが重いタイプの子|必要性が立つまでエンジンがかかりづらい
→頭では分かっていても、体がついてこないことがあったりするタイプ。
たとえば、「あと10分で出るよー!」と言われた時、分かっているのに、なぜか今じゃなくていい事を始めてしまったり。笑
そして気付いたら、目の前のことが時間内に終わらなくて、最後にバタバタする…みたいな。


没入感が強い|興味が燃料。遮断されると反動が出やすい
→興味に燃えている最中に急に遮断されると、反動が出易いこともあったり。
「今いいところだったのに!」で一気に不機嫌になる、涙が出る、言葉が荒くなる。
これはワガママというより、『燃料を切られた感覚』に近いことも。


実行機能の凸凹|交通整理だけで消耗し易い
→同時進行・見通し・優先順位を考えた時、やる気以前に、処理が詰まってしまったり。
「プリントどこ?」「提出いつ?」「何から?」で頭がいっぱいになって固まる。
やる気がないのではなく、『順番を決める』ところで電池を使い切り易いタイプ。

 

…といった感じに、ざっとあげてもタイプがあるもの。

そしてその子たちの強みは外側のリズムに寄せれば寄せるほど、発揮しづらくなることがあるんですよね。

これは『甘え』であったり『努力不足』とは、ちょっと違うお話。

寄せ方が、『その子のエンジンと噛み合っていないだけ』のこともあるんですよね^^

親が焦ると、判断が『間に合う?』『正しくできる?』みたいなところに寄りがち。

そして学校は、その『正しさ』に向かう動きが増え易い場所でもあるんですよね。

 

お勉強も大事。でも、AIと共存する時代に『守りたい学び』が変わってきた

 

『お勉強』、これそのものを否定するつもりはないのですが、その『在り方』や『(ある種の)順序』みたいなものが変わってきていると感じています。

これだけAIが生活に浸透してきていて、多くの人がGoogleで検索をする代わりにChatGPTで調べたりすることが増えてきている今。

 

 

より『正解に向かうこと』だけを最優先にして過ごす時間が、増えすぎていないかな…って思うんです。

『こどもたち』でみていった時、学校生活では先の内申や進路のお話でもそうですが、『〜しなければ』が多く、テストも『どれだけ覚えたか』みたいな正解に向かうものが多い。

今のこどもたちは『AIネイティブ』と言われている程に、当たり前にAIを使っていく。

仕方ない局面もあったりすると思うのですが、それでもやっぱり『正解に向かうこと』だけを最優先にした時間や機会は多いのかなと思うのです。

正解に向かう練習も必要ですけどね。

ただ、常に正解に向かっていると、思考って案外動かないことがあるんですよね。

寄り道や失敗がある方が、回り道がある方が、「あれ?なんで?」であったり「じゃあ次、どうする?」が生まれて、思考が働く。

その『考え始める瞬間』を作るのがまさしく、好奇心だったり「やりたい!」だったりすると思うわけです。

だからこそ、私はそこを守ることをすることも大切だな…と、より感じていたりします。

 

こどもにDIE WITH ZERO

 

こどもの好奇心や「やりたい!」を大切に守っていきたい…って、言い換えると今の興味関心を大切にするということ。

要は、こどもへのDIE WITH ZEROを大切にするってこと。

とはいえ、やっぱり日本の教育のリズムに乗っていくと、難しさはつきもの。

故に、そこへのバランス取りは常に更新しなければなんですけどね。

ですが、ただただ『好奇心・興味関心を大切にしたい!』と綺麗事を言っているのではないんですよね。

…というのも、好奇心に向かっている時って、思考のくせが育っている時でもあるから^^

たとえば、「これって、どうなるの?」「なんでそうなるの?」「じゃあ次、こうしてみよう!」…といったもの。

こういうのって、誰かに言われてやるより、本人の興味ある時の方が自然と出てきますし、その方が、どんどん立体的に展開されていくんですよね!

 

興味関心で育った思考のくせは、あとで効いてくる

 

興味関心・好奇心を大事に…って、 『あるある』なお話なんですけどね。

でも、興味関心に向かっている時って、こどもはただただ楽しんでいるのではなく、【学び方そのものを練習している】んですよね。

 

 

こどもの好奇心って、放っておくと『寄り道』に見えやすいものですが、興味がある時ほど、こどもは『勝手に考え始める』んですよね^^

「これって、何?」「なんで?」「じゃあ、次どうする?」

この思考の積み重ね・思考の動きが積み重なると、それは【自分で考え直せる力】にもなっていくもの。

何よりも、AIが当たり前になってきた今、

 

『答えを持っているか』よりも『答えをどう扱うか』の比重が上がってくる

 

そういったフェーズ。

興味関心で育つ『思考のくせ』は、具体的にどこで効くのか。

私は特に、AI時代と進路の場面で効いてくると考えています。

 

AI時代は『答え』より『問い』と『扱い方』が差になる

 

益々AIの存在が身近になり、答えそのものが手に入りやすくなっている今。

そんなAI時代で生まれる差・残る差は、『何を聞くか』と『出てきた答えをどう扱うか』というところ。
(AIに使われる人か、AIを使いこなす側か…のお話につながるものですね!)

興味関心に向かっている時のこどもって、無意識に

 

・「これって何?」と問いを立て
・「多分、こう?」と仮説を置いて
・「やってみよう!」と試す
・「あ、違った!」と直す

 

といったことを無意識にしているんですよね。

 

 

この『問い』→『検証』→『修正』のクセって、AIを使う場面でも強いもの。

AIって、ただ『調べる』ツールではなく、条件を入れて、前提を確認して、必要なら聞き直し…をしていく思考展開のサポートツール。

だからこそ、答えを暗記するような力より、答えに辿り着くまでの『扱い方』が強みになる時代。

ここにこれからの学びの核心になるようなところがあると思うんですよね。

 

進路は『正解』よりも『選択の設計』が増えていく

 

進路って、私たちの時代の感覚でいくと『偏差値で決める』のが正解みたいになりやすいもの。

でも今はそれだけでは決めきれない時代になってきているんですよね。

もちろん、偏差値が要らないというお話ではなく^^

偏差値『だけ』で一本化すると、その子の『学び方や心地よさ(=相性)がが見えにくくなる』んですよね。

だからこれからは『点数に合う学校』だけでなく、こどもが興味関心を入り口ににして思考を回していけるか(学べるのか)…というその環境を見ていく側面も大事だと思うのです。

『学び方が育つ環境か』『立て直しが効く環境か』。

この2つは、偏差値と同じくらい大事になっていくと思うんですよね^^

 

語れる英語は、思考の動きの上に乗る

 

これって、おうち英語にもつながっていくものなんですよね。

英語って、『英語が話せる』こと以上に『英語で何を語るのか』が益々大事になっていく。

 

 

英語って『考えを運ぶ乗り物』みたいなものなんですよね。

だからこそ、乗せる『考え』が育っているかどうか大きい。

最近よく見かけるのが、英語が話せてもなんとなく『中身が薄く見える』ケース。

ここでいう『中身』は、語彙量のことではなく、理由・具体例・その子の体験が言葉にのっていないような状態のこと。
(『英語力がない』という話でもないんですよね。)

母語での『なぜ?』『たとえば?』の経験があるほど、英語の言葉がちゃんと『その子のもの(その子の味)』になっていく。

この『母語での「なぜ?」「たとえば?」の経験』って、まさに好奇心と向き合っている時に育つんですよね。

 

どっちが正しいじゃなく、『今、どこを守りたい?』

 

こういった諸々を考えると、特に成長と共に、『今、どこを守りたい?』というバランス取り、シーソーゲームみたいなものだなと感じます。

 

 

ただ、その際の軸として忘れたくないのは、『我が子にとっての今』を置き去りにし過ぎないこと。

そこを頭に入れながら、私も日々、折り合いの更新中です。

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