「発達×個性」を起点に、こどもの学び方・おうち英語・海外教育を、こどもと歩む人たちが“デザインしていく”ための視点や問いをお届けしている林智代乃です。
先日、The Japan Times Alpha Jさんにて、セミナーを担当させていただきました。
いただいたご質問はさまざまだったのですが、そこには共通する『お悩み』や『気になりどころ』があったんですね。
具体的には、
・ルーティン化
・目標設定の仕方
・(中高生だと特に)忙しさの中で続けやすくする工夫
…といったテーマが多かった印象です。
この中でも『ルーティン化』と『目標設定』は別テーマに見えて、実は『同じところ』で立ち止まりやすいものだったりするんですよね。
…ということで今回、英字新聞(Alpha J)の取り組みを例にしながら、まずは【目標設定】についてを整理してみたいと思います^^
【ルーティン】については、次の記事で、そして【続けやすくする工夫】については、中高生の生活リズムや脳の負荷(脳科学の視点)も絡むので、その次の記事で書いていこうと思います。
【今回のポイント】
・目標設定は『積み上げ型』だけが正解ではない
・目標(ピント)が効きやすい子もいれば、ビジョン(地図)が動かす子もいる
・うまくいかない時は、努力より『設計の調整』(主語・選べる余白・出口)
まず前提:こどもの学びの『主語』
日々の学習習慣に関しても英字新聞導入においても、まず前提として見ていきたいところは、『主語』の部分。
ルーティンや目標設定って、設けて整えるほど回しやすくもなれば、確かに安心にも繋がったりしますよね。
ただ、ここでひとつだけ心がけていきたいのは、取り組みが『こどものもの』ではなく、いつの間にか『親のプロジェクト』になっていないかという点なんですよね。
もちろん!
我が子を思っての関わりであり、その想い自体は尊く大切にしていきたいもの。
サポート側の気持ちが大きくなればなるほど「良い形にしてあげたい」「伸びるルートに乗せていきたいな」という気持ちが出てくるのは自然なこと。

ただ、学びが親のプロジェクト寄りになると、こどもにとっては『タスクが増えた』になりかねないんですよね。
「とは言え、『きっかけ』は作ることも大切だし…」という考えや思いもあると思います。
その際は、次の部分をポイントを『整え直すポイント』して見てみるのも1つかもしれません。
親プロジェクトになっているかも?を見る時のポイント
②取り組みに関しての会話が「やった?」「どこまで?」に寄りがち
③取り組みが親の安心のための確認作業っぽくなる時がある
④目標が、こどもより親のの中で先に固まっている
⑤終わった後に、こどもの表情より『できた/できない』の方が気になっている
※当てはまるものがあっても大丈夫!ここは整え直すヒント・きっかけとして使ってくださいね!
ルーティンや目標を持ちながら進める時、いちばん効いてくるのは、親子の安心感(自己決定・納得感)に左右されるものだったりするのです。
これは、心理的な発達面や思考の発達段階と実は密接に繋がっている部分だったりします。
そのため、おうち英語の取り組みに関しても何においても、『心育て』『親子間の風通し』の部分を土台とした関わりを10年以上お伝えしている私です。
ちなみに、もし親プロジェクト寄りだった場合、『こどもの取り組み』に戻していくポイントも、もちろんちゃんとあります^^
・出口を『評価』ではなく『ひとことコメント』にする
これを入れていくだけで、変わってきますね!
そもそも『ルーティン化』と『目標設定』って?
『ルーティン化』そして『目標設定』って、実は『それをしたら上手くいく!』というものでは実はないんですよね。
合う子には合うし、合わない子には合わないものだったりします。
…ということで、『ルーティン化』と『目標設定』の【そもそも】を見ていくと、見えてくるもがあるのかなと思うので、ちょっとそのお話から。
目標設定 | 判断の軸をそろえて、迷いを減らす
これが各々の役割なのかなと私は捉えています。
ちなみに、ここでいう『迷い』とは、気持ちのお話というよりは【脳にとって負担】という意味でのもの。
こどもが立ち止まってしまう時って、よくよーく見ると、内容以前に『迷い』(処理)が増えていることが多いんですよね。
そして、この『処理』との付き合い方って、こどもそれぞれのタイプによっても変わってくるはずなのです。
そうなると、最初に整えたいのは、がっつり頑張ることではなく、各々のタイプに合わせて迷いが増えにくい枠を作っていくことかなと思っています。
目標を設定することが合いづらい子もいる
「どう目標設定したらよいだろうか。」
このご質問って、多くの方が「どう積み上げていったら良いのだろうか?」に近い角度で聞いてくださっていることが多いな、と感じます。
この『どう積み上げていったら』…という前提が、実は大きなポイントなんですよね。
『積み上げていく』ことに心地よさを感じられるタイプの子もいれば、実は『積み上げ』そのものに気持ちよさを感じにくいタイプのも子もいるのです。
積み上げに気持ちよさを感じにくいタイプの子の場合、学びはこんな風に進むことがあるんですね。
そういったタイプだからこそ、このタイプの子は、【目標(数値・段階)】より、【ビジョン(世界観・見たい景色)】で捉えていく方がスムーズなことがあるんですよね。
たとえば、『積む』スタイルのほうが心地よい【目標型】の子は、「今日は○分、英字新聞を読む!」のように『達成するもの』として作っていくことで進めやすくなります。
一方で、『地図を描いていく』ようなスタイルの【ビジョン型】の子は、「今日は、点を1つおけたらOK!」くらいの余白がある方が動きやすい。
『目標』というより、『進む方向をそろえるコンパス』置くようなイメージ。
こういったことから、目標設定がうまくいかない時って、目標が悪いのではなく『目標の置き方』がその子に合っていないだけのこともあるのです^^
目標型でなく、ビジョン型の子へのサポートは…
「じゃあ、目標型ではなくビジョン型の子へのサポートは?」
…となりますよね^^
ビジョン型の子へのサポートで大事なことは、『ふわっとしたもので終わらせないようにサ整えてあげる』というところ。
…というのも、『目標』って、カメラでいうと『ピント』に近いものだと思うんですね。

「今日はここを見る」「今日はここまでやる」と、視点を一点に合わせる。
だから、積み上げが心地よいタイプの子には、目標がとても機能しやすいわけです。
一方で、『ビジョン』は、どちらかというと『地図』に近い感じ。

目の前の一点にピントを合わせるというより、色々な体験で点が増え、それが少しずつ線に繋がり、気づいたら全体像が立ち上がってくる。
「こういう世界が見たい」「こういう自分でいたい」という方向を持ちながら、点を増やしていく感じなんですよね。
だからこそ、ビジョン型の子にたとえば『数値目標』を渡してしまうと、ピントが合いすぎて苦しくなってしまうことがあるのです。
本人はちゃんと考えているのに、『一点に寄せる』ことで動きにくくなるイメージ。
まさに我が家の娘がそのタイプです^^
では、ビジョン型の子はどうサポートしていくのか。
たとえば、英字新聞を利用した時間の場合、最初から「今日は◯分読んでみよう!」と決めるより、『今回は、どこに注目をしてみようか?』と一緒に決める方が入りやすいこともあります。
ビジョン型の子に必要なのは、ビジョンを語り込むことより、『今日の点をどこに置く?』を一緒に決めることがポイント!
『全体を着目するような声掛け』『大枠を提示するような声掛け』をしていきながら、棚卸しサポートをする感じです。
大枠のまま放置しないことで、点が増えて線になりやすのです^^
ビジョン型の子と英字新聞を楽しむ場合の関わり例
もしお子さんがビジョン型だった場合、英字新聞を使っていく関わりを考えた時、こんな関わり方ができたりします^^
・2択|写真から入る?見出しから入る?
・見出し3つだけ見て、気になるものに、⭐︎マークを1つつけみようか!
・写真を見て「これ、どんなお話っぽいと思う?」(一言だけでもOK!日本語でもOK!)
・1文だけ読んで、『つまり何?』を一言言ってもらう
・『人』に注目|誰が出てきた?
・『場所』に注目|どこのお話?
・『気持ち』に注目|嬉しい・困る、どっちより?など。
大きく掴むビジョン型さんだからこそ、点が1つ置けたらOK!
これが次へと線が繋がりやすくなる時間になるのです。
さいごに|正しい型より『この子が入りやすい入り口』
目標設定を考える時、ついつい『どう積み上げていくのか』という視点で考えていきがちですが、実は、目標設定って、『積み上げ型』だけが正解ではないんですよね^^
『目標(ピント)』が効くタイプの子もいれば、『ビジョン(地図)』が動くタイプの子もいる。
そして、各々のタイプがより活かされるためにも、何よりもの前提条件が『親子間の風通しの良さ』を大切にすること。
ここへの受け止めが、『頑張らせる』よりも目の前の我が子が入りやすい入り口つくりとなるのです^^
【次回予告】
次の記事では、同じ考え方を『ルーティン化』に落としていきます^^