母語が英語力を育てる|日本語を活かすおうち英語の進め方と発達の視点

こどもの発達と個性を活かすおうち英語でグローバル子育て、コーチコンサルタントの林智代乃です。

「バイリンガル子育て」って、私たちが受けてきた子育てとは少し違う形ですよね。

だからこそ、どうしても『不安』や『迷い』がつきもの。

特にこどもが成長するにつれて「今の方法で大丈夫?」「英語力って伸びてるのかな?」といった悩みが次々と出てくる方も多いようです。

先日、『バイリンガル子育てに ”失敗” があるとするならば…』の記事でも触れましたが、もし『失敗』があるとすれば、それはこどもから意欲的に学ぶ姿が見られなくなった時だと私は考えています。

 

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こんにちは、こどもの発達と個性を活かすおうち英語でグローバル子育て、コーチコンサルタントの林智代乃です。 以前、メルマガを通して、おうち英語なバイリンガル子育てについての現在のお悩みについてアンケートをとらせて頂いたんです。 &nb[…]

バイリンガル子育ての失敗とは?|こどもから“自ら学ぶ姿”が見えなくなったとき

 

とはいえ!

やっぱり気になるのは、『英語力をどう伸ばすか』『今の環境をどう活かすか』という部分ですよね。

そこで今回は、

 

英語での語りかけを特別せず、日本語環境でバイリンガルを育てる視点から少し深掘りしてお話

 

をさせていただきます。

ヨーロッパの多言語教育をそのまま真似するのは難しい

 

「言語習得理論」からいうと、小さな頃から複数の言語に触れて育つことは可能とされています。

可能ですが、ヨーロッパ等の多言語が当たり前の国と同じように進めるのはやはり難しいもの。

なぜなら

 

国全体がそういった取り組みを当たり前としているのか、そうでないかの言語に対する国全体の姿勢・環境の違いはやはり大きい

 

から。

 

ヨーロッパの多言語教育をそのまま真似するのは難しい

 

日本の場合、どうしたって「英語」は特別な言語的な部分が強く、また日々の子育てに英語を取り入れた、おうち英語をされている家庭は増えてきてはいるものの、まだまだ『当たり前』とはちがいますよね。

もとより、多言語習得が当たり前の国では『バイリンガル子育て』といった子育てのネーミングもない程に、「多言語が周りに存在する事が当たり前」ですから、その時点で違うんですよね^^

つまり、日本は多言語環境そのものが違うという前提を持つことが大切なんですよね!

 

言語習得における環境のみならず、言語的距離の関係もアリ

 

日本語環境の多い中でのバイリンガル子育てにおいて、ヨーロッパなどの諸外国のようにうまくいかない面は、もちろん『環境』だけではないです。

各々の言語との『言語的距離』も関係しています。

『言語的距離』とは、言語の文法・文字・発音などがどれくらい違うのかを表す言葉で、英語と日本語の距離は、かなり離れた関係にあるんですよね。

 

日本語と英語の言語的距離感もヨーロッパなどでの第二言語習得と違うところ。

 

因みに、日本語と言語的距離が近いのは「韓国語」。

学生の時に私も第3ヶ国語として韓国語の授業を取った事がありますが、かなり日本語に近くて面白かった記憶があります。

当時は、第二言語でフランス語をそして第三言語として韓国語の授業を取っていたのですが、フランス語の方が授業時間数が多かったのに、私にはさっぱり理解出来ずでした^^;

そんな私でも、韓国語はその時は割とスムーズに理解できていたんです。
(今では、数表現言える程度ですが^^;)

これこそが正に、『言語的距離の違い』によるものなんですよね。

…というように、ヨーロッパなどの多言語習得を当たり前としている地域の人とまるっと同じ状況ではないからこそ、まるっと同じことが当てはまる訳ではないんですよね。
(もちろん、複数言語に触れる経験が増えるほど言語習得がし易くなるので、その時は言語的距離ある言語も身につき易くなるのも事実です。)

 

理論を“理解する”より“活かす”姿勢がカギ

 

バイリンガル子育て/教育をしていく上で、『言語習得理論』を学ぶことは確かに大切です。

大切ですが、

 

言語習得理論だけで英語が身に付くわけわけではない

 

んですよね。

例えば、私は言語習得理論を理解していますが、だからといって今、「フランス語」や「スペイン語」「中国語」を習得する事はできません。

言語習得理論を理解しているのに出来ないのは、そもそもで『やりたい!やろう!!と思えないから』。

そう、どんなに言語習得理論を理解しそのまま活用しようとしても、『本人の意思』がないとそれは活用できないのです。

これは「意思」だけでなく、

・置かれた環境
・物理的時間
・こどもの精神的/心理的発達



などなど様々な要因が絡み合うと、そのまま言語習得理論を当てはめて行う事ができないのです。

このように「バイリンガル子育て」と一言で言っても意外と複雑なもので、言語習得理論と色々な条件各々を活かし絡めあった立体的な子育てなのです。

そう、「日本という環境」というのも絡み合いの1つなのです。

おうち英語のバイリンガル子育てで出てくる悩みの多くは
「日本語」がポイントになっている


バイリンガル子育てを始めたばかりは、

・英語絵本の音源や英語歌のかけ流し
・英語絵本の読み聞かせ



などの仕方に悩まれたりするも、「とりあえず先ずはこれ!」と思って取り組めるのでまだおうちの方も心に余裕が持てやすいもの。

多くの方が段々と不安を抱き始めてくるのがここから先で、

・英語の発話があまり聞けない
・英語の発話があってもなかなかそこから伸びない
・我が子の英語が伸びてきて、英語が苦手な自分はサポートできない



などといったお悩み。

これ、どれも

・『日本語』メインの子育てだから
・『日本語』環境が年齢と共に増えてきたから
・おうちの方がしっかり話し伝えられる言語が『日本語』だから



こそ起こることで、全て『日本語』がポイントになっています。

もちろん、「きっかけ」があればという事もなくないですし、英語の発話がなかなか見れない背景は英語が出来ないからではない部分があったりと奥深いですが、ここで大事なことは『英語にこだわらない』ということ。

英語にこだわらず、

『日本語』がポイントになっているからこそ、その日本語を活かすことが大事



なのです。

これ、こちらのブログ記事でもよくお伝えしております、『英語習得し易いタイプにしていく関わり』としての遊び等とはまたちょっと違う話しでお伝えしますね。

実はバイリンガル子育てにおいて
母国語は言語習得を促してくれる潤滑剤なのです


「バイリンガル子育て」において、「英語環境は絶対で日本語に触れる時間が少ない方が良い」と思われがち。

こどもが小さいある程度まではそれでもOKです。

ですが、実は

母国語でしっかり思考する力が第二言語の習得をスムーズにしていってくれるという研究結果が最新の研究結果では多いほど、『母国語』にしっかり触れるのは大事



なのです。

これは、

・お隣韓国での研究結果からだったり
・海外で言えば、英語教育専門家の Philip Kerr という方だったり
・老舗のインターナショナルスクールオーナーさんであったり
・実際にバイリンガル子育てで育ってきた方だったり



などなど実は多くの方が言っていたりする事だったりします。

だからこそ、ある程度しっかり英語のインプットをしてきたら、その環境は保ちつつも母国語で思考する力を伸ばしていくことが英語力を伸ばしていく、いや、伸ばし続けていくものとなるのです。

もちろん伸びは緩やかになることもありますけれどね、大丈夫です。

「日本語」という存在が、
おうち英語のバイリンガル子育ての助けになるってこんな時


では、まずどんな時に『日本語』の存在が役立つのかについてです^^

実は英単語力を増やすという場面にも日本語時間は大事


人は

・興味をもって初めて
・その事柄に触れて初めて



触れる単語って多いもの。

例えば、「住宅購入」という出来事を通して初めて出会う単語があったり、「家族の介護」をきっかけに介護にまつわる色々な言葉に出会う事も多々あったり…と大人になってからでもそういった場面はまだまだあったりしますよね。

そう考えても

我が子に色々な物事を体験させてみたり、興味をもってもらう事が大事。

そんな
我が子の興味等はおうちの人との会話から引き出される。
物事に対しての挑戦心が育つのもおうちの人との会話を通して育つ。



のです。

おうちの人が心を込めて、しっかりした会話ができる言語が「日本語」であれば、しっかりその母国語である日本語での会話を通して、興味等を広げてあげる事がポイントなのです。

そうしたら、絵本等を通した『英語とのリンクづけ体験』がとっても活きていきますからね!

最近、そういった「こどもとの会話」という面では、オンラインサロンメンバーさんはどんどん上手になられていっている印象です^^

英語での表現力に実は日本語が役立つ


英語力で大事なことは、

・見聞きした英語をいかに訳せるかではなく、『いかにイメージが出来るのか』
・伝えたい言葉(英語)を以下に自分の中にある知識で『表現するのか』



です。

英語力以前に必要とされる『イメージ力』そして『(持っている情報を活かした)表現力』なのです。

これは、日本語での関わりでしっかり伸ばしていけ、寧ろ、その部分を母国語でしっかり伸ばすからこそ、英語力に反映されていくのです。

このように、母語である『日本語』ってとても大事で、母語である『日本語』をしっかり伸ばすからこそ日本語環境たっぷりの中で行うバイリンガル子育てでは英語力が伸びていくのです。

もちろん、小さいこどもが英語を覚える時、「日本語の説明を必要としない」です。

ですがこれ、『日本語の使用を禁止したら英語を覚えるということではない』という事はしっかりと頭の中においておいて欲しい事柄です。


ここまでの内容をざっくりですが、動画にまとめたものがこちらとなります⬇︎



母語が英語力を育てる|日本語を活かすおうち英語の進め方と発達の視点
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International Exchange(国際交流プログラム)

“伝え合う”がゴールの交流プログラム。

 

日本と海外のこどもたちが、文化・気持ち・ことばを伝え合う
オンラインの国際交流プログラムです。

 

ただ「英語で話す」ことが目的ではなく、
「どんなふうに伝えたらいい?」
「何を伝えたい?」を、自分で感じて言葉を選ぶ力を大切にしています。

 

ウズベキスタンのこどもたちとはプレゼンのやりとり、
アメリカの私立校のこどもたちとは、共感や価値観の違いを超える対話を。

 

ことばを超えて通じ合う体験を通して、
“グローバル”を身近に、自分ごとにしていきます。

おしゃべりFriday (日英ディスカッション)

言葉で、思考をほぐす金曜日。

 

月に2回、

第3金曜は【日本語】、

第4金曜は【英語】で行う
テーマ型ディスカッションの場です。

 

「自分の思いをどう伝える?」
「相手の考えをどう受け取る?」

 

そんなやりとりを、日本語と英語の両方で経験していきます。

 

ポイントは、「正解」を言うことではなく、
“自分の言葉”で考えてみる・伝えてみること。

 

話すのが得意じゃなくても大丈夫。
聞くことも、感じることも、ぜんぶが参加。

 

こどもたちの思考力・表現力・対話力を、じっくり育てていきます。

Jigsy Club(クラブ活動)

Jigsy Clubは、

こどもたちの「今、好きなこと」や「気になること」を入り口に、
仲間とつながり、学びを深めるオンラインのクラブ活動です。

 

Minecraftや歴史、STEAMや投資など
それぞれのテーマに合わせた“ゆるいつながり”の中で、
自分のペースで参加しながら「好きの理由」や「楽しいポイント」を
誰かに話したり、聴いたりする体験を積んでいきます。

 

「自分って、こんなことが好きなんだ!」
「言葉にすると、もっと面白くなる!」

そんな発見のある、こども主導の対話とつながりの場です。

Open Space (サークル活動)

メンバーの「やってみたい!」から生まれる、
ちょっとゆるくて、

でもちょっと本気な “やってみる場” です。

 

 

たとえば…

 

✔ 英語をちょっと使ってみる【英語部】
✔ 1日を心地よく始める【朝活サークル】

 

定期活動じゃなくてOK。義務もルールもなし。
「やってみたいときに、やってみる」だけ。

 

誰かの「一緒にやろう〜!」がきっかけで始まったり、
好奇心からふわっと芽が出たり。

 

正解のない“あそび場”として、

いろんな小さなチャレンジが育ちます。

 

Open Spaceは、自由に試せる自分発見ラボ。
ちょっと一歩、踏み出してみたくなったら、ここにどうぞ🌱

Jigsy café ー 雑談のなかに、ヒントがある。

月2回、おうちの方同士がオンラインで集まり、
「子ども・自分・家庭」について、自由に話せる場です。

 

✔ 誰かの一言でモヤモヤがほどける
✔ 正解を探すんじゃなくて、“視点”をもらう
✔ 話すことで、自分の気持ちにも気づける


テーマは毎回ちがいます。

 

たとえば…

 

📍「進路って、そもそもなんだろう?」

📍「わが子の“特性”、どう言葉にすればいい?」

📍「子育てとお金の話、どこまで話す?」

 

 

“雑談なのに、深い”。
そんな空気感を一緒に味わいたい方、ぜひどうぞ。

問いを深める、月1回の学びの時間

月1Lab. (セミナー)

おうちの方向けに月1回、

テーマを絞ってお届けするセミナーです。

 

毎月

「今だからこそ役立つリアルなテーマ」をピックアップ。

 

または皆さんのリクエストに応じて、

英語・発達・思考・海外教育・受験 など、
広い視点で“学びのヒント”を共有します。

 


専門性と現場経験に基づいた実践内容
難しい話も「わが子にどう活かせるか」が見える設計
アーカイブ付き・繰り返し視聴OK

 

 

「知らなかった」を「やってみたい」に変える。
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