話せる子より、考えを持てる子が伸びる|こどもの学び・発表・探究で大切な力

こどもの学びをみていると、どうしても『目に入りやすい力』ってあったりしますよね。

・発表で堂々と話せる
・すぐに自分の意見を伝えられる
・反応が早い
・場の中で目立ちやすい

 

こうした姿って、とてもわかりやすいので、「この子、伸びてるな!」「この子はしっかりしているな!」と感じやすいものだったりすると思います。

 

 

もちろん!
話せることは大切な力です。

ですが実際には、こういったことがあるんですよね。

 

話せることと、考えを持てることは同じではない。

 

すぐに言える子が、必ずしも深く考えていないということではないです。

ただ一方で、外から見えやすい力に目が向きやすい分、静かに育っている力は見落とされやすい…ということです。

こどもの発達や学びをみていると、あとから作文・発表・探究の場面で強さになりやすいのは、『話せる子』そのものより、『自分なりの考えを持てる子』だなと感じることがあります。

今回は、こどもの学びで本当に大切にしたい力について、発達の視点とグローバル子育ての視点から書いてみたいと思います。

 

【今回のポイント】


・話せることと、考えを持てることは同じではない
・発表が上手な子は伸びて見えやすいが、後から強さになる力は別にある
・作文 / 発表 / 探究では『自分なりの考えを持てる力』が土台になりやすい
・発達の視点でみると、考えていてもすぐに話せないこともが多い
・おうち英語や海外教育でも、英語力の前に『何をどう考えるか』が大切になる

 

話せる子はこどもの学びの中で伸びて見えやすい

 

こどもの学びの中で、『できている』と感じやすい姿には共通点ってあるんですよね。

 

反応が早いこと。
発表でしっかり話せること。
自分の意見をすぐに言えること。
場の中で迷いなく前に出られること。

 

これらって、見ていて、とてもわかりやすい姿ですよね。

だからこそ、おうちの方や先生方も、『この子は伸びている』と感じやすい部分だったりすると思います。

特に、学校や集団の場では、『見える力』が評価されやすい部分がどうしてもありますよね。

話せる。答えられる。前に出られる。

その姿は、とても伝わりやすい / 受け取りやすいですものね。

もちろん、それ自体は、大切な力です。

ただ、ここで少し立ち止まって見てみたいのです。

 

『話せる』と『考えを持てる』は同じではない

 

ここは、こどもの発達や学びを見ていくうえで、個人的にはとても大事な視点だと感じています。

 

たくさん話せることと、自分なりの考えを持っていることって、同じではないんですよね。
反応が早いことと、問いに対して深く考えられることも、同じではないんですよね。
言葉数が多いことと、考えに軸があることも同じではないんですよね。

 

私たちはどうしても、外に出てきたものを基準にしやすいもの。

でも、学びの中で本当にあとから効いてくる、伸びしろがあるのは、『すぐ言えること』より、『自分なりの考えを持てること』だったりするんですよね。

ここでいう『考えを持てる』というのは、正解をたくさん知っているという意味ではないです。

 

 

立派な意見を言えるということでもないです。

 

自分はどう感じたのか。
どこに引っかかったのか。
なぜそう思うのか。
相手の意見を聞いた時に、自分の中で何が動いたのか。

 

そうしたものを自分の中で、つかまえられること。

この力があると、学びがただ受け取るだけのものではなく、自分の中で動くものになっていくんですよね。

 

こどもの発表・作文・探究で大切になるのは、『考えを持つ力』

 

学年が上がるほど、学びは単純な知識の受け取りだけでは進みにくくなっていくもの。

 

作文ではただ字数を埋めるだけでは足りなくなります。
発表では、原稿を読むだけでは伝わりにくくなっていきます。
探究では、調べたことを並べるだけではなく、『自分はどう考えるのか』が求められます。

 

そうなった時に土台になるのは、『答えを早く出す力だけではない』んですよね。

 

・自分なりの見方を持つこと
・なぜそう思うのかを考えられること
・違う意見に触れても、自分の考えを見失い過ぎないこと
・1つの問いに対して、自分の中でやり取りができること

 

こうした力があると、作文にも厚みが出てきます。。
発表にも、その子自身の言葉がのってきます。
探究でも、単なる情報集めではなく、『その子なりの問い』が見えてきます。

 

そう、発表が上手に見えることより前に、【考えを持てる力が育っていることの方があとから大きな違いになりやすい】のです。

 

あとから伸びるこどもは、『自分なりの見方』を持っていることがある

 

キッズのコーチングを通してであったり、オンラインサロン -Jigsy- の子達との関わりを通して、やはりよく思います。

 

その場で目立つ子と、あとから伸びる子は、必ずしも同じではない

 

…と。

すぐに発言できる子は、やっぱり場の中では評価されやすいです。

でも、あとから文章に厚みが出てきたり、問いの持ち方が深くなってきたり、発表の中に自分の視点が乗るようになってきたりするのは、やっぱり【自分なりの見方を持っている子】であることが多いんですよね。

 

 

実際、ご一緒しているこどもたちの中にも、最初からわかりやすく前に出るタイプではなくても、その子なりの見方や引っ掛かりをすでに持っている子は少なくないです^^

そして、関わりを重ねる中で、その部分が少しずつ言葉や問い、表現として見えやすくなってくることがあるんですよね。

例えば、

 

「私はそこが気になった」
「みんなはそういうけれど、私は少し違う気がした」
「何でだろうと思った」

 

こうした小さな引っ掛かりや違和感の中に、その子の考えの芽があるんですよね。

この芽は、最初から目立つわけではないです。

でも、その芽がある子は、学びが『与えられるもの』で終わりにくいんですよね。

学びが、その子の中でつながり始めるんです。

だからこそ、あとからぐっと伸びていくことがあるんですよね。

 

発達の視点で見ると、考えているのに話せないこどももいる

 

ここは、発達の視点から見ることが、とても大事。

考えを持てる子が、いつも分かりやすく話せるとは限らないんですよね。

むしろ、考えているからこそ、すぐに言えないこともあるんですよね。

 

・頭の中にいろいろ見えていて、どこから話せばよいか迷っているのかもしれない。
・感覚やイメージはあるのに、まだことばの形にしきれていないのかもしれない。
・一つの問いから複数の方向に思考が広がっていて、簡単に一言にまとめられないのかもしれない。

 

外から見ると、『黙っている』『止まっている』『言えない』に見えることがあるけれど、内側ではかなり動いている。

でも、その子の中で考えが育っている途中なのだとしたら、必要なのは『速さ』ではなく、自分の考えをつかまえられる時間や関わりなんですよね。

 

英語力を支えているのは、【考えを持てる力】

 

私は、おうち英語やグローバル子育て、海外教育を考える時にも、ここはとても大切だと感じています。

どうしても『英語で話せるか』『自分の意見を英語で言えるか』という、見えやすい部分に芽が向きやすいもの。

もちろん、それらは分かりやすい力ですし、大切です。

でも実際には、英語力はことばの形だけで育つものではなく、『その中に何をのせるか』によって、深まり方が変わってくるように感じています。

 

自分はどう考えるのか。
どこに違和感を持ったのか。
なぜそう思うのか。
相手の意見を聞いて、何が変わったのか。

 

こうしたことが自分の中で動いていないと、英語だけが先にあっても、学びとしては薄くなりやすいんですよね。

 

 

英語は大切です。

ですが、英語はある意味で『のせるもの(乗り物)』でもあるんですよね。

その上に何をのせるのか。
どんな考えをのせるのか。

ここが育っているかどうかで、同じ『話せる』でも中身が変わってきます。

だから私は、おうち英語でも海外教育でも、『英語力』や『発信力』だけを急ぐのではなく、その子の中に考えが育っているかどうかを大切にしたいと思っています。

 

私がこどもたちに育んでいきたいのは、『話し上手』より『考えを持てる力』

 

私がこどもたちとの関わりの中で大切にしたいのは、話し上手な子を増やすことではないんですよね。

もちろん、自分の考えを伝えられることは大事です^^

ですが、その前になる

 

「私はこう感じた。」
「ここが気になった」
「なぜなんだろう?」
「私はこう考える」

 

そうしたものが、その子の中にちゃんとあることの方を大切にしたいんですね。

話すことはある意味『出口』。

でも、出口だけ整えても、中に流れるものがなければ続かないんですよね。

だからこそ、見えやすい『話せる』に引っ張られ過ぎず、その子の中にある考えの芽を見つけていくこと。

 

 

まだことばになっていなくても、静かに育っているものを見落とさないこと。

それが、あとからその子の、作文(エッセイ)・発表・探究、そしてその先の学びを強くしていくことにつながるのだと思います^^

 

さいごに|こどもの学びで本当に伸ばしたいのは『考えを持てる力』

 

話せる子は、伸びて見えやすいです。

ですが、話せることと、考えを持てることは同じではないのです。

本当に後から効いてくるのは、

 

・自分なりの見方を持てること
・理由を持てること
・問いを持てること
・相手の意見を受けても、自分の考えを深めていけること

 

こうした力。

これらの力は、すぐに目立たないことがあるもの。

時に評価されにくいこともあります。

ですが、この力こそがたとえば今後の作文にも、発表にも、探究にも、そしてグローバルな学びにもつながっていく土台なのです。

だからこそ、『話せるようになること』だけを目標にするのではなく、【考えを持てる子に育っていくこと】を、私は大切にしていきたいなと思っています。

 

よくあるご質問|FAQ

 

Q1. 話せる子の方が、やはり学びには有利ですか?
→有利に見えやすい場面はあります。ただ、学年が上がるほど、ただ話せるだけではなく、「何をどう考えているか」が問われやすくなっていきます。あとからの強さになりやすいのは、考えを持てる力だと感じています。

 

Q2. うちの子はあまり話さないのですが、考えが育っている可能性はありますか?
→あります^^ すぐに言葉にしない子でも、内側ではかなり考えていることがあります。発達の視点でみると、考えているからこそ、すぐに外に出しにくい子もいるのです。

 

Q3. 『考えを持てる子』に育つには、何が大切ですか?
→正解を急ぎ過ぎず、その子が『どう感じたか』『なぜそう思ったか』をつかまえやすい関わりが大切だと感じています。答えを急がせるよりも、考えが育つ余白を持てることが大きいです^^

 

Q4. これはおうち英語や海外教育にも繋がりますか?
→つながると思います。英語で話せることだけでなく、その中に何をのせるのかがとても大切だからですね。自分なりの考えを持てることは、その先の学びの土台になります。

 


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